「片づけられない…」というお悩みを、ちょっとゆるめる。 著者の体験を元にした、完璧を目指さない片づけ術の本
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暮らしのアドバイザー
土井けいこ
「片づけられない…」というお悩みを、ちょっとゆるめる。 著者の体験を元にした、完璧を目指さない片づけ術の本
タイトル | 「収納が苦手」な人のための片づけ術 |
著者 | 土井けいこ |
URL | https://amzn.to/3QLex3w |
出版社 | 主婦の友社 |
サイズ | 単行本(ソフトカバー) |
ページ数 | 288ページ |
担当 | 編集・プロデュース(企画、構成、編集、校正、装丁・撮影ディレクション ) |
協力 | 表紙デザイン 酒井夕里 、イラスト 花島ゆき |
書籍紹介
住まいの片づけと収納、家事全般の講座を自宅で続けてきた、暮らしのアドバイザー・土井けいこさん。その豊富な経験をもとに、収納に苦手意識を持つ人のための片づけ術をまとめました。
目次
第1章 苦手意識をちょっぴりゆるめてあげよう
第2章 ものとの付き合い方を見直してみよう
第3章 ものを生かせるしまい方を考えよう
第4章 家族が暮らしやすい片づけを
きっかけ
インテリア雑誌の連載「収納人生相談」
2011年春に出版されたこの書籍は、私が編集長をしていた雑誌「プラスワンリビング※1」の連載から生まれました。連載のタイトルは「収納人生相談」。著者の土井けいこ先生とは、雑誌主催の実例コンテストからのご縁で、何度も収納のアドバイスの取材をお願いしていました。収納のお悩みは、ときに生き方の悩みにもつながっている。そんなことを、二人でよく話していました。
※1.プラスワンリビング(PLUS1LIVING)・・・主婦の友社のインテリア誌。
想い
苦手意識の元にあるのは、思考のクセや思い込み。「ゆるいルール」で、できることを伝えたい。
「片づけられない」というお悩みは、実は収納の方法の問題ではなくて、その方の思考のクセや思い込みが関連していることがあります。土井先生は、まずはそこを「ゆるめる」ということを大切にされていました。
企画
片づけブームにのりきれない、苦手意識でつまずく人のための片づけ本を企画
この書籍が出版されたのは、2011年。こんまりさんの大ベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』の翌年。たくさんの片づけの本が世に出ていました。ですが、片づけや家事に苦手意識がある人の気持ちに寄り添う本は少ない。このブームに取り残されている人がいるのではないか。
そこで、雑誌連載の「収納のお悩み」はそのままに、苦手意識でつまずいてしまう方向けに、完璧を目指すのではなく、自分にできる「ゆるいルール」で、「ラクに楽しく続けられる」ことを目標にした、「収納が苦手な人にこそ伝えたい片づけ本」を作ることになり、土井先生に改めて書籍化のお声がけしたのです。
カタチにする
連載で掲載した悩み相談を導入に、片づけのステップを意識して4章構成に
雑誌連載をまとめるということでスタートした企画でしたが、雑誌に掲載した文章は限られた文字数でまとめられています。そこで、雑誌連載のお悩み相談の文章は、導入として各章の最初に載せ、そのあとには、連載では書ききれなかったことを新たに執筆いただくことにしました。さらに、ゆるいステップになるように意識して、4つの章で構成しました。
原稿執筆も「ゆるいルール」で乗り越える
執筆作業は、インタビューを元にライターが仕上げるか、ご自身で執筆されるかのどちらかです。今回は土井先生ご本人の執筆。章ごとの大まかな見出しができたところで、先生の執筆がスタート。しかしこのとき、土井先生は多忙の上に体調を崩されて、なかなか原稿が進まないという事態に。こんなとき、著者がスムーズに書き進められるようフォローするのも、編集者の仕事です。
書けなくなってしまう原因の多くは、構成(目次)でつまづくこと、書かなきゃ、完璧に仕上げなきゃ、というプレッシャー。この2つを乗り越えれば、皆さんすらすら書き進められます。土井先生も同様でしたので、ご自身のゆるいルールで書き進めていただきました。その後、先生は執筆、私は届いた原稿の校正※2をする形で、二人三脚で原稿を仕上げていきました。
※2.校正・・・誤字脱字はもちろん、文章の色彩が変わっていないかチェックし、著者ですら気づかないような間違い、表現上の矛盾点などを発見し修正すること。ATTICでは、著者らしさを打ち消さず、最小限の直しで伝わる文章に整えることを大切にしている。
見た目にもわかりやすいデザインに
原稿が完成したら、いよいよ最後の仕上げです。書籍のデザインをするエディトリアルデザイナーは、書籍のコンセプトを読み解き、適切なデザインを施すのが仕事です。普段何気なく読んでいる文章主体の書籍にも、装飾やイラストだけでなく、余白などの間まで、計算されたデザインが施されていて、著者と読者の想いをつなぐ役割を果たしています。
今回は、酒井夕里さんが素敵なデザインを、花島ゆきさんが可愛くてわかりやすいイラストを加えてくださいました。書籍全体から、土井先生のスタイルが伝わる片づけ本が完成しました。
届ける
片づけが苦手な人へのメッセージが、読者の元へ。
「漢方薬のようにゆっくり効いてくる本です。」
「世間の基準で白黒つけると結果は早いかもしれない。でも、グレーな物を抱える自分もOK!それが今の自分だから。」
「たしかに、片づけができない自分をダメだと思っていて、そのわりには完璧のイメージにとらわれている私は『きちんとさん』。だからしんどいんですね。しんどい理由がわかってラクになりました。」
「なんてやさしい人なんだろう。できないでいる人の気持ちに寄り添い励ましてくれる本ですね」
(Amazonブックレビューより一部抜粋)
土井先生の想いは、読者に届いていました。
片づけブームで沢山の片づけ本が出版されていましたが、土井先生と私が届けたかった方たちへ想いを伝えることができました。読者から、意図した反応が返ってくると、この仕事をしていて本当に良かったな、と思います。
著者の声
初めての著作は約300ページの書籍。藤岡さんの並走で無事に走りきりました。
土井先生に、当時を振り返っていただきました。
(土井先生)人が生きていくうえで、ことの大きい小さいに関係なく、自分の可能性を信じて伴走してくれる人に出逢えることは幸運なことです。私の人生において出逢いはいくつかありますが、中でも”編集者”藤岡さんとの出逢いは、私の“想い”を広く世の中に発信する機会を広げる機会をつくっていただく大きな転機となりました。
2000年。インテリア雑誌プラスワンリビング副編集長だった藤岡さんと初めて共に仕事をしました。それからたくさんの仕事の機会をいただき10年がたつ頃、思いがけない言葉をかけられました。
「土井さん、著作本の企画通りましたからね」。
本を書く機会を与えられたのです。
人生最初の書籍は約300ページもありました。高い高いハードルのように感じた書籍出版。
「さあ、書くぞ。」
力んでは空回り。まず目次づくりからつまずきました。全く構成ができない。本を書くために開けたスケジュールは何もできないまま過ぎてしまい、仕事が押し寄せてきました。
そうこうするうち藤岡さんから最後通告。「第1章の締め切りは今週末」。平日は仕事の予定が詰まっているし…どうしよう…とうろたえていると、「今までの講座のレジュメを全部出してください」とのこと。数日して目次が届きました。これまで講座で伝えてきたキーワードがちりばめられているではないですか。
講座のレジュメから私の”想い”を読み解き整理する。編集者ってすごい。藤岡さんの仕事に感動していると、こんな励ましの言葉をかけてくれました。
「ラジオや講座で話しているように書いてみて。書けますよ。」
それまで講座やレギュラーラジオ番組で、暮らしを快適にするヒントを15年ほど伝え続けていましたが、講座やラジオ番組の構成を考えることと本の目次づくりは同じことと気づかず、話すことと書くことは別のことと思い込んでいたんです。
編集脳力は言うまでもありませんが、藤岡さんは著者を木に登らせるのがうまい編集者。『北風と太陽』の太陽タイプですね(笑)。
その後、私は週末ごとに1章を書き上げました。書いた原稿を藤岡さんが書いた原稿をそぎ落とし文章の塊を移し全体を整えてくれました。並走開始からひと月半、二人で向き合って最初の校正(初稿)を迎え、さらにひと月並走を続けて、すべての作業完了(校了)しました。
約300ページ完走。体力的には厳しかったけれど、書き終えたときの安堵感はいまもよみがえります。
2011年3月4日、片づけに苦手意識がある人の苦手意識を緩める本『「収納が苦手」な人のための片づけ術』を発売しました。
こんまりブームで、沢山の片づけ本が出ていましたが、当時、片づけや家事に苦手意識がある人の気持ちに寄り添う本はなかったと思います。アマゾンのブックレビューで「漢方薬のようにゆっくり効いてくる本」という書き込みを見た時、私と藤岡さんの想いが読者に届いたと実感しました。
これが、書籍出版の醍醐味なんですね。
その後
新たな書籍をセルフ出版すべく、のん編集長のサポートで企画・執筆中
土井先生とのご縁はその後も続き、最近では、テーマと目次づくりの個別コンサルティング(コンテンツオーガナイズセッション)を受講、現在はAmazonのセルフ出版に挑戦されています。
土井先生に、受講経緯をお伺いすると、書籍の出版後、自分で新しい書籍づくりにチャレンジするも、商業出版の壁にぶつかったたそうです。
(土井先生)実は、出版後、新たな書籍の企画書づくりにトライしたのですが、商業出版の世界は当然ながら厳しく、結果はボツ。思うようにいかず苦しい時間ばかり過ぎていました。そんな折、藤岡さんが問出版※2の編集長として、セルフ出版のサポートをはじめたことを知りました。自力では企画書もつくれなかった私にとって、プロの編集者である藤岡さんに、またサポートしてもらえる。こんなに心強いことはありませんでした。
「さあ、書きましょう。そしてプロモーション。」今は、こんな風に、初めての出版では見えなかったすべての過程を楽しみながら執筆しています。
※2.問出版社・・・藤岡がATTCと兼任で編集長を務める出版社。
今回のお客様
依頼者名 | 生活工房Do! 暮らしのアドバイザー 土井けいこ |
概要 | 生活工房Do! 主催、暮らしアドバイザーとして、講座、講演、執筆を行う。 |
URL | https://doikeiko.com/ |
利用サービス | その他 |